デヴィッド・ボウイを聴いたか

「ねぇ、先輩がブルーハーツに出会わずにこの人と出会ってたらめっちゃ好きになってたやろうなあっていう歌手がおんねん。それがデヴィッドボウイ」「デヴィッドボウイは知ってるし、聴くし、俺もそう思う」彼はブルーハーツが大好きで、ほかは好きなアニメの主題歌しか知らないんじゃないかっていうくらいブルーハーツしか知らないし聴く気もないようだ。わたしはDavid BowieのSpace OddityとLife on Mars?の二曲が好きで好きでたまらないし、この二曲の静けさや寂しさ、知的な美しさを愛してるのだけど、これはブルーハーツに通じるところがある気がする。わたしは彼と出会うまでブルーハーツをよく知らなかった。「ボーカルの人がめっちゃ飛び跳ねてるバンド」くらいの意識だったが、彼から「情熱の薔薇を弾いてほしい」というギターのリクエストを受けて練習してみたら驚いた。なんて繊細で情熱的で美しい歌なんだろうと。練習しながら「これは、なんとなく、最初のほうのDavid Bowieに似てるな」と思い始めた。それで最初に書いた話をしたのだが、まさか彼がDavid Bowieを知ってるとは思わなかった。そしてさらに、彼はBowieを好きだった。「なんで知ってるの？」「よく分からないけど、なぜか知ってる」「わたしはスペイスオディティが好きだよ」「そっか」昨晩はそこからポケモンの話に変わってしまいDavid Bowieを語り合う会話にはならなかった。けれど、わたしは、David Bowieが好きだと感じる感性の持ち主からもう離れられないのだと、静かに悟った。