わたしは時々死にたくなることがある

わたしは時々発作的に死にたくなる。なぜかは分からない。生理前のことが多いがそうでないこともある。なんで生きているのかわからなくなり涙が溢れてくる。そんなときはベッドに横たわり涙が枯れるのを待つ。


昨日の夜、その発作が起きた。昨日は生理前ではない。今回の月経周期から初めてピルを飲み始めたのでひょっとしたらホルモンバランスの変化かもしれない。夜10時半、いつもこの時間に寝るのでベッドに入ったはいいものの、突然鬱々とした気持ちになり悲しくなって涙が止まらなくなった。同居している妹も実家に帰っていて今日はいない。沈んでいく私を誰か救いあげてほしい。助けて。彼氏にLINEを送った。「どうして生きてるのか分からない。辛い」しかし、返事が来ない。既読もつかない。家で寝ているのかもしれない。


疲れていたのでこのまま涙を出し切って寝ようかと思ったが、どんどん悲しくなっていくばかりで辛い。そうして泣きながら1時間ほど経ち、ほんの少しだけ気持ちが落ち着いた。このまま家にいてはしんどい。そうだ、彼氏の家に行こう。すでに夜11時半を越えていた。車ですぐ行ける距離に住んでいるので、そのとき着ていたジーンズとトレーナーのまま家を出た。


彼の家に着くと、彼はこたつでうとうととしていたが、わたしが来た音に目を覚ました。わたしはすぐベッドに横になった。しかし彼がいるという安心感からかまた涙が出てきてしまう。隠すけれど分かったようで「何かあったの?」と聞いてくれた。別になにかあったわけではないので「別に」と答えた。今思えば愛想のない答えだが、怒っているわけではない。その後はわたしに何も突っ込まずまた学会のスライドを作っていた。


しばらくして彼がベッドに入ってきた。LINEを見たのか見てないのか、横になって手を重ねてくれた。「今日は帰るのが遅くなってごめんね」と言われた。「いいよ」とわたしは言った。帰りが遅かったから泣いているわけではない。そう言いたかったが涙が邪魔をしてうまく喋れない。「今度またいっしょにごはん行こうね」とわたしは言った。「そうだね」と答えて、抱きしめてそっとしてくれた。


気づかないうちに寝ていたらしい。涙が止まっている。朝起きると夜勢いよく降っていた雨が上がり、太陽が差し込んでいる。「じゃあね、ありがとう」と彼に告げ家に帰った。自分の気分の波に振り回されるわたし。それに彼を巻き込んでしまう申し訳なさと付き合ってくれる感謝とそっとしておいてくれる安心感と。太陽がまぶしくて腫れたまぶたが重く上がらない。