【書評】【マンガ】はたらく細胞
こんばんは。ジニだよ。
書評はじめました。ちょっと医学系の本が多くなるかもだけど、許してね。難しい本はそもそも読まないし、紹介もしません。
マンガとか、小説とか、おもしろい新書とか、ブルーバックスとか紹介したいです。
いろんなブロガーさんたちはビジネス書や自己啓発本が好きですよね。だからわたしはそれ以外の本を紹介します。
というか、わたしはあんまりビジネス本を読まないだけです。
さて、きょうはおもしろいと本屋で話題のゆるゆる医学系マンガです。
【書評】はたらく細胞1,2巻
- 作者: 清水茜
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/07/09
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (7件) を見る
- 作者: 清水茜
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/11/20
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (3件) を見る
結論からいうと、このマンガ
すごいおもしろいよ。
おもしろくて、からだの勉強にもなって、一石二鳥。
ひょっとしたら、免疫の試験前に眠いまぶたをこすりながら日本語のあやしい「基礎免疫学」(ELSEVIER)の本を読むより免疫の勉強になるかもしれません。
基礎免疫学 アバス-リックマン-ピレ 免疫システムの機能とその異常 原著第4版
- 作者: Abul K. Abbas,Andrew H. Lichtman,Shiv Pillai,松島綱治,山田幸宏
- 出版社/メーカー: エルゼビア・ジャパン
- 発売日: 2014/09/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
〔基礎免疫学の話をさせてください〕
このあとちゃんと「はたらく細胞」のはなしに戻ります。ページはそのままで!
これを読んでる医学生もしくは医療関係者で、基礎免疫学を読んだひとに聞きたい。
基礎免疫学はいい本だし、イラストもとてもきれいなんだけど
日本語わかりにくくないっすか??
わたしが買ったのが
日本語版第1版第1刷
だからかもしれませんし、そもそも訳をされた先生が
英語の専門家ではなく免疫の先生2人
だからかもしれません。わかるよ、わかる。医療担当の翻訳家では、
免疫分野の翻訳は無理
だと思います。免疫は現在進行形で研究が超絶に進んでおり、免疫の専門家じゃないと英語の本を日本語に訳せないでしょう。
でもね、基礎免疫学の訳はあんまりにも
英語を日本語にしました感
がムンムンとしてませんか?高校生が英文の和訳をしたみたいな感じ。
「~~する必要があり」
「~~が必要である」
って、きっとneedがあったらこう訳したんだろうし、
「ーーは~~される」
という受動態表現がめちゃくちゃ多い。
いかにも英語を日本語になおした感じがします。
版を重ねるごとに読みやすくなればいいですね。
〔はたらく細胞のはなしに戻ります〕
このマンガは医学的にも結構しっかりしています。一医学生の意見だから、そんなに偉そうにはいえませんが。血液中の細胞たちのはたらきをしっかりと理解したうえで、おもしろい話をつくっていると思います。
免疫や血液の授業で習った血球のはなしがバンバンでてきます。
「はたらく細胞」っていうくらいだから、胃や肝臓などのいろんな臓器の細胞の話かと思ったら、
めっちゃ血液細胞・免疫系
でした。
ワタクシ、いまのところ
血液内科に進もうかな?
と考えているくらい免疫や血液の話が好きなので、このマンガはどストレートにハマりました。
しかも、血液中の細胞について全然知識がないひとでも楽しめる内容です。
血液の細胞=赤血球っているよね?ほかなにがあるっけ
みたいなひとが読んだとします。
そのひとが、たとえば風邪をひいたら
わたしのからだの好中球がんばれ!キラーT細胞もがんばれ!!
マクロファージもがんばれ!!!
細胞たちが元気にはたらけるように
わたしは温かいものを食べて寝るから!
からだの細胞!がんばれ!
とからだの働きを応援したくなるでしょう。間違いありません。
ただ、ひとつ気になったのが
赤血球の寿命は120日
で、
好中球の寿命は2週間
なんです。
だから、好中球1146番と赤血球ちゃんがこんなに出会うということは・・・・・・
この血球たちの持ち主である人間は
2週間のうちに
肺炎球菌
スギ花粉(しかも相当アレルギーっぽい)
インフルエンザ
すり傷
アニサキス(生のサバなどにいる寄生虫)
熱中症
※がん
にかかったことになります。
2週間でこんなにアクシデントがおこるかなあ。
※注 がん細胞は健康なひとでも毎日つくられて、免疫細胞に殺されています。2週間どころか、毎日からだのなかでガン細胞と免疫系細胞の殺戮が繰り広げられています。だから、好中球1146番と赤血球ちゃんが出会ってもおかしくない。
そろそろ好中球を1146番から違うやつに変えたほうがいいかもしれませんね。
気になったのはこれくらいです。
せっかく血液のはなしだから、白血病や貧血のはなしをしてもおもしろそうです。2巻のがん細胞のはなしと少々かぶるかも。
でも絶対白血病のはなしはおもしろい。
白血病をわかりやすくマンガにしてほしい。
変な白血球をいっぱい書いてほしい。
骨髄のなかでがん化した細胞を増えて、正常な血液細胞が減っていくさまを書いてほしい。
白血病って、世間のイメージが漠然としているから。
治りにくくて、がん治療で脱毛する、治療しても若くして死ぬ、みたいなイメージを壊してほしい。
とにかくおもしろくて勉強になります。
全国の本屋で平積みされていると思うので、ぜひ読んでみてください。
じゃあねっ