腎臓(急性腎不全/慢性腎不全/原発性の糸球体腎炎/続発性の糸球体腎炎)

急性腎不全

急激に腎機能が低下する状態で以下のいずれかの基準を満たす
1 血清クレアチニン値が2.0~2.5mg/dL以上へ急激に上昇
2 基礎に腎機能低下がある場合は血清クレアチニン値が前値の50%以上の上昇
3 1日で血清クレアチニン値が0.5mg/dL以上の上昇
腎前性 ショック
腎性 急性尿細管壊死(薬物、ショックによる虚血、Hb、ミオグロビンによる尿細管障害)、半月体形成性糸球体腎炎(Goodpasture、顕微鏡的多発血管炎、Wegener肉芽腫症)
腎後性 水腎症

慢性腎不全

血液浄化の異常
糸球体のろ過障害、尿細管機能の障害

内分泌障害
エリスロポエチン↓、活性型ビタミンD
血圧管理、たんぱく質の異化の抑制、その他の食事療法

原発性の糸球体腎炎

①糸球体腎炎はどのように分類されるか
ボロボロ→修繕
急性または慢性
ネフローゼとは1日尿たんぱく量≧3.5g、血清アルブミン<3.0g/dLを満たす場合
→肝臓でのアルブミン合成、RAA系↑

②血尿、蛋白尿の管理方針

③症候から
溶連菌感染後急性糸球体腎炎(糸球体に核がいっぱい、水がたまる)と微小変化群(足突起融合、膠質浸透圧↓)→小児の突然の浮腫
IgA腎症(メサンギウム細胞、基質↑、血尿)と膜性腎症(IgGのICが係蹄壁の基底膜側に沈着、蛋白尿)→繰り返す尿異常
巣状分節性糸球体硬化症(メサンギウム領域↑)と膜性増殖性糸球体腎炎(メサンギウム細胞↑、分葉化、BM二重化、C型肝炎ウイルス、クリオグロブリン血症)→小児から若年成人で、繰り返す血尿、蛋白尿から腎不全に至る

続発性の糸球体腎炎

糖尿病腎症
①メサンギウム基質↑②輸出細動脈狭窄、出口がふさがる疾患

アミロイド腎症
多発性骨髄腫、関節リウマチ→アミロイドタンパクがたまる→消化管は下痢、心臓は不整脈、肝臓、手根管症候群、腎では蛋白尿→ネフローゼ→慢性腎不全

Scholein-Henoch紫斑病
IgAのIC→毛細血管に沈着→関節痛、出血(下腿伸側)、腹痛、下痢、IgA腎症に類似病変(ただし蛋白尿と血尿両方出る)

コレステロール塞栓症
カテーテル→アテローム片が末梢に飛ぶ→腎×、下肢の動脈塞栓症状
造影剤による腎障害との鑑別 補体↓、好酸球↑(局所に免疫反応)、下肢の皮膚生検で針状の空隙