研修医のルート確保が上達したたったひとつのコツ
こんにちは、ジニです。
今日は、解剖を意識することでルート確保が上達したというお話をします。
私が麻酔科を研修している時、指導医にこんなことを言われました。
「お前、ルートを入れる時になんとなく針を刺して、たまたま逆血が来たらやった!って喜んでるだけだろ。
それはたまたま針が血管に入っただけだよな。それじゃあルートは一向に上達しないぞ。
お前、料理したことあるよな?
包丁を使うだろ。
大根を切るときどうやって切る?
まな板の上に置いて、力をかけて一気にスパッと切るよな。
じゃあ豆腐を切るときどうやって切る?
手の上に置いて、豆腐が崩れないように優しく切るだろ?
切り方違うだろ。
ルートの針だって、包丁と一緒で刃物だ。頑丈な皮膚を貫く時と柔らかい血管を貫く時では同じように力を掛けていてはだめだ。
皮膚の下にある血管にルートを入れるのは、大根の下にある豆腐を切るようなもんだ。
まず硬い皮膚を 一気に貫く。そして皮膚の下にある柔らかい血管を 優しく刺す。すると血管を貫かずにうまく逆血が来る。
ぶつっと一気に針を刺して、逆血が来た!ラッキー!、ではなく、血管と皮膚の解剖を考えながら、力加減や針の刺し方を調整しないといけない。
解剖に気をつけてルートを入れる練習をしてほしい。もしこれで上達したら俺に教えてくれ。」
この先生がおっしゃる通り、それまでの私は見事に、なんとなく針を刺して逆血が来たらラッキー、みたいな感じでルートを確保していました。
しかし、解剖を気にして針の刺し方を変えたところ、ルートの成功率が一気に上がりました。
麻酔科の研修が終わる頃、その先生に解剖を意識したらルートの成功率が上がった話をすると、大変喜んでくださいました。
ルートを刺す時は、皮膚が大根、血管が豆腐で、大根の下にある豆腐を刺すイメージでやると成功率が上がります。
大根は力をかけて一気にスパッと貫き、豆腐は慎重に優しく刺す。ルート確保を上達したい方は、ただ闇雲に練習するのではなく、解剖を考えて針の使い方を工夫してみてください。
このコツでルート確保に悩む研修医やコメディカルの方の技術が上達したら幸いです。
今日の記事は以上です。またこのブログでお会いしましょう。