初期研修を中断する方法【研修医】

私は妊娠・出産・育児のため、初期研修2年目の6月から研修を中断しています。翌年の4月からこれまで研修をしていた病院とは違う病院で初期研修を再開する予定です。

 

出産だけでなく持病や家庭の事情で初期研修を中断したいという方もいらっしゃると思います。この記事では初期研修を中断するために私がやったことをまとめます。

 

初期研修を中断する人なんて周りになかなかいませんよね?中断は難しいものだと思い込んでしまいがちですが、意外とそうでもないです。

 

それほど難しいものではありませんが、レポートを書くなどエネルギーのいる作業もあるので、本格的に体を動かすのが辛くなってから研修中断を決めるとしんどいかもしれません。

 

ご自身の体が動けなくなるほど状況が辛くなる前に、早めに中断することを決断して作業に取り掛かるのをお勧めします。

 

また、中断を決断する前に研修を再開する病院を決めておきましょう。

 

私は研修を中断するつもりはありませんでしたが、3年目からの後期研修は初期研修先の病院とは違う病院で行うつもりだったので、1年目の終わりから様々な病院で病院見学をしていました。 そして後期研修をしようと決めていた病院で初期研修再開をさせていただこうと決断しました。

 

厚生局と病院間のやり取りがあるので、初期研修を再開する病院はある程度考えておいたほうがいいと思います。

 

前提条件ですが、中断前の病院ではStandardEPOCを使っていました。

 

また時間の流れですが、

4月末に研修センター事務に中断の意思を伝える

→5月初めゴールデンウィーク明けに中断を決定

→6月初めに退職しました。

事務作業の関係上、大体一か月以上前に事務の方に中断の意思を伝えるのがいいと思います。

 

1、研修病院に中断する意思を伝える

すべてはここから始まります。 研修担当の事務や研修センター長に中断する旨を伝えましょう。 事務の方が厚生局とやり取りをしてあなたにやるべきことを教えてくれます。

 

またこの段階で研修を再開させたい病院にも連絡をしておきましょう。

 

2、EPOCを完成させる

EPOCの各科の評価項目を完成させましょう。 各科いろんな項目がありますが、中断するにあたって事務から何度もチェックされたのが

自分がやったとする項目が指導医はやってないと判断していると駄目だ」ということです。具体的には自分が a,b,c のどれかをつけた項目で、指導医が評価不能もしくは未入力と判断するとよくないんです。

 

そこがズレていると初期研修を再開する時に前の病院でどこまで研修を行ったのかが分からなくなるからです。

 

自分がまず評価を入れてそれから指導医がそれを見てチェックします。その評価を見て、自分が a,b,c のどれかをつけているのに指導医が評価不能もしくは未入力としている項目があったら、自分も評価不能もしくは未入力にチェックし直すと言う気の遠くなるような作業が待っていました。

 

めんどくさいんですけどポチポチするだけではあるので、事務の方の力を借りて頑張りましょう。

 

この面倒くさい作業に付き合っていただいた指導医の先生方及び事務の方には大変感謝しております。

 

3、レポートを完成させる

中断しようと思ったのが4月の終わりだったのでまだ全然レポートを作っていませんでした。

 

レポートは全部で32項目あるのですが、まずは一つ一つの項目にどの症例を使って行こうかと考えるところから始まります。

 

意外とこの作業がしんどいです。かなりエネルギーを使います。 おそらく皆さんは自分が経験した症例のリストは作っていると思うのですが、それでもかなりしんどい作業でした。

 

例えば22番の心不全にこの症例を使いたいけどこの症例は心不全って言っていいのかな?こっちの症例のほうがいいけど、これを心不全で使ったら腎不全はどの症例にすればいいんだ…?と悩む瞬間が数多くありました。

 

レポートを書くのもしんどいのですが、どの症例をどの項目に使うかを考えるのも、思っているより過酷な作業です。 頑張りましょう。

 

それができたらレポートを書きます。 私は全部で28個ほどレポートが書ける状態だったのですがそれを3週間ほどで全て提出しないといけませんでした。

 

普通にやっていたら終わらないと考えたので、私はLafLaboというサービスを使いました。

 

https://www.laflabo.com/

 

これにレポートを作るためのページがあるので、そこの空欄にカルテをコピーしてポチポチ貼っていくだけです。

 

コピペするだけで薬の名前も一般名に変わりますし、検査値の単位も自動でつきます。すべての項目をレポートの形式に仕立ててくれるので大変便利でした。 LafLaboがなかったら研修中断はできなかったと言っても過言ではありません。

 

カルテをコピペするところはが全てやってくれるのですが、考察だけは自分で書かないといけません。 本当は文献をいろいろ探したり、成書を読み込んだりするべきなのでしょうが、その時間はありませんでした。

 

自分の持っている本やネットに落ちているガイドラインを使って乗り切りました。 研修医のカルテ室は平日は混んでいるので、土日にこもってレポートを仕上げました。

 

4、中断証をもらう

EPOCを埋めてレポートを提出したら、やるべきことはほぼ終了です!

 

研修センターの事務から臨床研修中断証をもらえるはずです。 次の病院に就職する際、提出を求められるのでなくさないように大切に保管しましょう。 おそらく引っ越しをする方が大半だと思うので管理は大切に。

 

5、まとめ

5月に、次働く予定の病院に

「そちらの病院で初期研修を再開したいのですがよろしいでしょうか?」という旨のメールを送ったのですが返事が返ってきませんでした。

 

そこで厚生局に直接電話をして、今私がやるべきことはあるのかと聞いたところ

 

「今まで勤めていた病院とこれから研修再開する病院と厚生局とでやり取りをするのでご自身でしなければいけないことは特にありませんよ。 ただし前の病院から中断証をもらえるはずなので、それは大切にとっておいてくださいね。 次の病院で提出してもらうことになります。」

と言われました。

 

その口調が飄々とした雰囲気だったので、不安まっしぐらだった私はちょっと拍子抜けしました。 初期研修中断って大それたことのような感じがするけど、そうでもないのかもなと思いました。

 

研修を再開する予定の病院では、元々後期研修をしようと思っていました。 だからその病院の後期研修先の部長の先生には初期研修を中断するお話を事前に連絡していました。

 

すると、その部長の先生からこちらの病院で初期研修を再開できそうですというメールをいただきました。 まだ正式にその病院で働けるとは連絡が来ていませんが、部長の先生からの連絡を信じています笑

 

以上です。現時点ではまだ研修再開させていないので、次に就職する際やったことはまた随時追記しようと思います。

 

最後に、初期研修を続けていくのが難しいと考えている方へ。

 

EPOCやレポートは面倒ではありますが、それさえなんとかできれば中断は簡単にすることができます。 思っていたよりもハードルが低いように感じました。

 

この記事の最初にも書きましたが、ハードルは高くないけどエネルギーは必要なので、本格的に体を動かすのが辛くなってからではしんどいのではないかと思います。

 

私は病院の宿舎に住んでいたので引っ越しもしないといけませんでした。 事務作業を行いつつ引っ越し準備しないといけなかったので5月は結構ハードでした。

 

そのように、EPOCやレポート以外の作業も多いので、中断を決断するのは体を自由に動かせるうちの方がいいでしょう。

 

この記事があなたの助けになることを願っています。